反対するなら今? 3

 東京都の英語スピーキングテスト,実施日以外の要件

対象者:東京都の中3生全員

実施方法:タブレット等の端末及びヘッドセットによる映像音声で出題,応答録音
     (他県での過去の同様のテストの反省から「対面」はないようです)

実施費用:公的資金の投入(つまり受験料無料)

実施会場:公平の観点から大学等の外部施設

受験回数:1回 (感染症罹患者などの予備日あり)

 先ず,東京都の中3生はここ数年,8万人弱で推移しています。

 予備日が設定されている以上,公平の原則からも1日で8万人全員が受検することになるのでしょう。

 すると端末は8万台必要です。試験に耐えうるまともなタブレット端末って1台いくらでしょう。不正ができないようにテスト専用端末でしょうから,センター試験のICプレイヤーとは一桁違うと思います。またそれのメンテナンス費用もあります。

 一人当たりの受験費用は英検から逆算して,3~5000円くらいでしょうか。受験費用は無料ですが,この金額は実施を請け負った民間事業者の収入になります。(なおその実施民間団体は絶賛募集中です。実施スケールから見て新規団体にはうまみがなく,ノウハウを持っている既存事業者が受注するのだと思われます)

 実施に伴う英語の教員の研修,実施関連の採点者,監督等の研修もあります。
 
 ちなみに,東京都は昨年,民間事業者に委託する形で東京都版「ブリティッシュヒルズ」と言える英語村(TGG)をすでに作っています。(なんか楽しそうですよ。個人でも申し込めるみたいです)

 これらは東京都だからできることのように見えます。財政基盤の弱い地方の県などの自治体には無理なことでしょう。

 なぜ英語ばかりなのでしょう?(近年は理数系ばかりだったから?)

 「英語の4技能」の前に「国語の4技能」を鍛えるべきだと言う人がいます。全く同感です。日本語もまともに書けない子が,英語ができるようになる訳がありません。(こういう議論もたぶん織り込み済みでしょうけれど…)

 対策されやすいテストが子供たちの英語力に資することはほとんどないと思います。

 「受けない」という選択肢はないのでしょうか。