読解について =塾での取り組み=

さて、「読解」の続きです。

保護者の方が良くおっしゃる言葉に「国語は大丈夫です」があります。

「日本語は話せるから、国語はわかるだろう」と考えられるようです。

しかし、日本語が話せても、国語のテストで全員が満点を取れるわけではありません。

それは日本語を話せることと、読解の力は別だということです。

読解は活字になっている文章を読み取るということです。

そしてその文章の内容について細かく問われるのが国語の問題です。

「読解は文章の中から条件を見つけ、答えを探しだすゲーム」だと生徒たちに説明します。

ゲームを攻略するためにはいろいろなアイテムを持っている方が有利です。

読解ではそのアイテムは語彙力や経験です。

子供たちは経験が少ない分、語彙力を多くしていくしかありません。

授業ではその部分も補います。

例えば、文学的文章では、小説の登場人物の心情を読み取る際にできるだけ身近な例を挙げ、それと同じような気持ちなのだと詳しく説明します。

そうすると、自分のこととして腑に落ち、納得ができるようになってきます。

また、国語の問題文は条件が書かれていることが多いので、その条件に見合う形で答えを書く指導も丁寧にする必要があります。

中3生の2学期の中間テストではメインの単元が森鴎外の「高瀬舟」でした。

期末テストのメインは魯迅の「故郷」でした。

どちらの作品も時代が古く、現代っ子が読むには難しいものです。

「貧しい暮らし」など現在の子供たちに想像しろと言っても想像もできません。

そのため、時代背景からその当時の暮らしぶり,それぞれの作者の作品を作った時の状況などの説明から、文章の中身を詳しく説明しました。

最初は皆、よくわからないまま説明を聞いているのですが、だんだんと理解が増し、うなずきが増えてきます。

そうした結果、中間テストでは学校平均76.4点のところ、当塾生徒の平均点は91.3点、

期末テストでは学校平均66.8点のところ、当塾生徒の平均点は83.8点を取ることができました。

まだまだ課題はありますが、生徒自ら「文章を丁寧に読む」ことを意識できるように指導していきます。