宇宙一早くてていねいな2021都立高校入試数学「解説」その1(4番)

【2021年(令和3年度)都立高校入試数学】4番

本日無事に今年度の都立高校入試前期が終了したようです。
今年は「理社」を難しく感じた子が多かったようです。
確かに、1問あたり複数選択の問題が増えたので、難易度は確実に上がっています。コロナ禍で出題範囲が削減された中、工夫して出題されたことが分かります。

さて、今日は数学の問題で「分からなかった」と言う声が一番多かった4⃣番の図形の問題の「問2」の②を解説します。①の証明は簡単でしたが、合同、相似の証明ではなく、久しぶり(平成13年以来20年ぶり!)の「二等辺三角形であること」の証明だったので戸惑ったことと思います。

ちなみに「二等辺三角形であること」の証明は少し気になったので、うちの塾ではおとといやったばかりでした。(できてるといいが…)

「2021年都立高校入試数学4番問2②」
問題はこちら
ポイント:
問2①で証明した二等辺三角形QRPを使えるかどうか。
二等辺三角形の等辺をxとしてQR、RCの長さを求め、△QCPの面積を面積比で配分する。
色々な解法が考えられるが、今回は「三平方の定理」の単元は削除されているので、この解き方が標準と思われる。




2021都立高校入試数学4番
[解説]
△ABCと△APCにおいて
半円の弧に対する円周角は90°だから
∠ABC=∠APC=90°
共通な辺なので、AC=AC
仮定よりAB=AP
直角三角形で、斜辺と他の一辺がそれぞれ等しいので
△ABC≡△APC
合同な図形では対応する辺、角が等しいので
BC=PC=8
∠BAC=∠PAC … (1)
AB//DCより、平行線の錯角は等しいので
∠BAC=∠DCA … (2)
(1)(2)より、∠QAC=∠QCA
2つの角が等しいので
△QACは二等辺三角形
よって、QA=QC
QR=QP=xとおくと
QC=QA=16-x
RC=QC-x
 =(16-x)-x
 =16-2x
ところで
△ABCと△BCRにおいて
∠ABC=∠BCR=90°
弧PCに対する円周角は等しいので
∠CAP=∠CBR
(1)より
∠BAC=∠CBR
2つの角が等しいので
△ABC∽△BCR
対応する辺の比は等しいので
AB:BC=BC:CR
16:8=8:(16 - 2x)
x= 6
RC=16 - 2x
 =16 - 2×6
 =4
2021都立高校入試数学
4番結論