鉛筆の持ち方 その2

今から相当前のことになる。

入塾したばかりの小学生の話だ。

その子の鉛筆の持ち方が感動を覚えるくらいに、あまりにひどかった。

そのため、「鉛筆の持ち方」をその場で指導した。

その夜、保護者の方から「鉛筆の持ち方の練習など頼んでいない。大きなお世話だ」とクレーム電話があり、あっさり塾を辞められた。

この保護者の方は鉛筆の持ち方に重要性を感じなかったようだ。

前回のブログを読んでくださった中にも「なぜ鉛筆の持ち方や書き順」にこだわるのかと不思議に思われる方がいらっしゃるのかもしれない。

確かに、今はまともな鉛筆の持ち方をしている子の方が少ない。だから保護者の方もあまり気にされていないのかもしれない。

しかし、鉛筆の持ち方が正しくないと

・学習姿勢が悪くなる

・字を書く時に腕や指に余計な力が入る

という2点が問題になる。

さらに、

・字が雑であったり、クセ字を書きやすいので正しく判読されにくい

という、入試には不利な点もある。

「学習」中は長時間同じ姿勢でいることがどうしても多くなる。

姿勢が悪いと、体が疲れやすく、じっと座っていられないから、授業や学習に集中できない。

鉛筆の持ち方が悪いと、指や腕によけいな力が入り、手が疲れやすくなる。長時間書けないし、字が雑になるので、学習には不利だ。何よりも見映えのいい字が書けない。(さらにひどいと、持ち方を他人に驚かれる)

見栄えを気にしなければ、小さい頃はそんな鉛筆の持ち方でも何とかなるが、中学・高校と学年が上がれば上がるほどこれらがネックとなり、学習に支障が出てくることになる。

そういう将来のことまで考えて指導しているつもりだが、理解されにくいようだ。

「学習」のためには、そういう基本的な学習以前の事柄が実は重要であるということをご承知いただきたいと切に願う。かけ算九九と同じくらいに。