学参コーナーで見かけた親子

私の行きつけの書店。

ちょうど学年が変わる時期の学参コーナー。

多くの親子が訪れてはあれこれと問題集を購入していく。

見ていると、今多いのは「教科書ガイド」や教科書準拠の問題集。

新しい教科書のために購入していくのだろう。

そんな中で、教科書ガイドやら入試関係の問題集を10冊くらい抱えた女の子と両親。

聞こえてくる会話から、その女の子はどこかのサイトに書いてあった入試におすすめの本を片っ端から購入する予定らしい。

女の子が「本当はあと2冊ほしいいんだよね。それもあった方がいいってサイトに書いてあった」と言うとお母さんらしき女性が「じゃあ、それも持っておいで」と答える。「えっ、いいの?」とはずんだ声で女の子が言い「取ってくる」とその場を離れた。

お父さんらしき男性が女性に「そんなに買ったって全部やるのは無理じゃないの?」というと「取りあえず買えば、あの子も満足するだろうから、買おう」と言っていた。

その時点で、その子の入試に不安がよぎる。

まず、何冊も購入すると、「買った」という満足感で終わってしまうことが多い。

もし購入するのなら、1冊買って、それがきちんと仕上がってから次という風にするべきだ。

以前、知り合いが「子供が中3の冬休みに、5科目の問題集を購入して塾と並行してそれを解くように言った」という話をしてくれたことがある。もう、聞いたその時点で「無駄なことを」と私は思った。案の定、その後「5冊とも最初の方を少し解いただけで終わった」とのことだった。

焦る気持ちはわかるが、入試直前には直前のやり方がある。直前期は今までの復習に時間をかけた方がいい。

先の書店の親子、入試までまだ1年近くの猶予がある。「買ってあげた」「買ってもらった」の満足感を得るためだけに問題集を買ったことにならなければ良いが…。