中3 国語の授業 「蜜柑」

本日の中3国語の授業。

芥川龍之介「蜜柑」の読解。

これは毎年、中3の読解授業で定番の作品だ。

年々、読解内容よりも、語句など言葉自体の説明が増えてきているように感じる。

文中で「電車内の窓を開ける」と出てくるが、現在の電車と当時の電車の窓の違いがあるから、想像が難しい。「トンネルに入る前に窓を閉める」の意味だって、現代っ子には理解が難しいだろう。

登場人物の心情の動きなど解説したいのだが、このようにそれ以前の説明に時間を取られてしまう。

今回の教科書改訂で中3国語の教科書(光村図書版)から「高瀬舟」が外された。やはり時代背景などから理解しにくいからなのだろうか。うちの塾では「高瀬舟」は教科書に載っていない時も、授業で扱っていた。

現代では「高瀬舟」というと「安楽死」の問題と言われるが、それ以上に主人公の弟への想いなどを読み込み、いろいろと考えることができることを説明する。かつてはそれを学んだことで、弁護士を将来の夢に掲げる生徒もいた。

作品が人生に影響を与えることもある。

生徒にはできるだけ多くの文章に触れてほしいと思う。

今日の授業のコメント欄に「おもしろかった。芥川龍之介の他の作品も読んでみたくなった」と書いた生徒がいた。

本離れが言われて久しい。だから、文章に興味をもてることだけでもとても大切なことに思える。

来週は、現代っ子向けの小説から読解を学ぶ。

気持ちがくみ取りやすい分、新たな方向から気持ちを考える授業になる予定だ。

また、多くのことを感じてほしい。