見守る

スーパーで買い物をし、車で帰ろうとした時に幼稚園児くらいの子どもと両親が歩いているのが見えた。

夫婦で並んで歩いている後ろを子供が追いかけて歩いていた。

危ないなと思った。

人間、後ろに目がない。だから親が先に行くと、後ろの子どもの様子は見えない。恐らく子供を信頼しているからそのような状態でも大丈夫だと思っているのだろう。

しかし、子供は大人と違って視野が狭く、いろいろなことに興味をもつ。縁石に躓くかもしれないし、何かに興味をもって、ふらふらと親から離れてしまうことだってあるかもしれない。

ましてや駐車場である。いつ、車が来るかわからない。

何かがあってからでは遅いのだ。

その夫婦は両手が空いていた。それならば、子どもと手をつないで、危険から守ってあげたらいいのにと思った。

些細なことだが、そういう積み重ねが親子の絆を強くする。

子供は自分の足で立てるようになると、親のことなど見向きもしなくなる。

そうなってから「ああすればよかった」と言っても、時間は戻ってこない。

手をつないで歩ける時間は過ぎてしまえばほんのひと時でしかない。

あのかわいいぷくぷくした手をしっかりと握り、その感触を覚えておきたいものだ。

「お母さん」「お父さん」と言って自分に抱きついてくる姿を目に焼き付けたいものだ。

結果、それが親にとって一番の思い出になるのだから。