学習するのはかわいそう?

ただ今、中学生は期末テストに向けた学習道場の真っ最中である。

一人ひとりが塾のフォーマットに沿って、自分で学習計画を立て、学習をしている。

テストの1週間前からは平日は3時間、今日は8時間、明日は9時間、塾の中で黙々と学習している。

熱心に学習している生徒たちの後ろ姿を見ているとき、ふと数年前に入塾希望で面談をしたあるお母さんのことを思い出した。

中学2年生で成績が振るわないので、今いる塾からの転塾を考えているとの相談を受けていた。

ところが、うちの学習道場の学習時間を聞いた瞬間に表情が硬くなった。

後日、入塾は遠慮するとの連絡をいただいた。

理由は、「そんなに勉強させるのは“かわいそう”だから」とのことだった。

部活だと、朝から夕方までお弁当持ちで9時から5時まで練習、遠征するのは当たり前なのに、同じような時間で勉強すると“かわいそう”となるのが不思議でならない。

部活動だって、学習だって、練習に練習を重ねなくては上達しないのだから。

ましてや、部活動は引退したり辞めたりしたら、それで終わりだが、「学び」は一生ついて回る。

高校生になって学習をしなければ、あっという間にわからなくなるし、進路は狭まるし、厳しい将来につながってしまう。

よく「高校に入ったら勉強がんばります」という言葉を聞くが、中学生で勉強をがんばれなかった子が高校生になったら勉強をがんばれるのか、と思う。

がんばれるはずがない。

うちの塾が参加しているオープンチャットでも、毎日のように全国の高校生が「○○はどうやって勉強したらいいのですか」「勉強を始めてもすぐにスマホをいじってしまいます。どうしたらやめられますか」と悩みを書き込んでくる。

中学までに「学習習慣」を身につけられなかった子たちの叫びだ。

そうなった方がかわいそうなのではないか?

成績に差はあるけれど、うちの生徒たちは皆、努力することの大切さを知っている。

そして、目標に向かって努力していける。

それが日々の学習習慣から身につけられるスキルなのだ。